歴史とこだわり

水沢うどんの始まりと清水屋

 坂東三十三箇所の十六番目の札所になる「水澤観音」、「五徳山水澤寺」は伊香保温泉から約4Kほどの地にあり、その創建は飛鳥時代と言われています。
江戸時代には、この古刹を訪れる「水沢参り」が習慣化され、僧侶たちが門前で参拝客に手打うどんでもてなしたとされています。
水沢うどんはこの水澤寺に詣でる人たちが食した事で「水沢うどん」と呼ばれています。
 当店の屋号である「清水屋」は、水沢観音ゆかりの僧侶の手に依って「手でこね・足で踏む」技法を伝授され、その時主の人柄を愛でて「幾世も流れつきませぬ清き泉の清水のごとく栄えよ」との言葉を頂いたおりに「清水屋」という屋号を賜りました。
また「うどん」の表記は、水澤寺の高僧より技法を教わったことを思い、中国伝来の「饂飩うむどん」と致しております。
当店は400年以上の歴史を誇る水沢うどんの始祖としての自覚と食文化を守る使命感を大切に致しております。粉と塩と水だけの素材ですが、その製法は17代目そして18代目へと連綿と引き継がれており、シンプルな素材の配合と練りの作業は代々の当主から当主へと引き継がれ今日に至っております。

清水屋の歴史

 榛名山系の雄大な自然に囲まれ、水澤寺門前店として歴史を重ねてまいりました。
明治初期の清水屋の写真にあるように、細い参道と豊かな自然のもと水澤寺にお参りされた人達がうどんを食べるのを楽しみに下山していった様子が思い浮かびます。
明治19年には当時の伊香保御用邸でご静養中であった有栖川宮熾仁親王(ありすがわのみやたるひとしんのう)がご来店して召し上がったのをご縁に、その後昭和天皇、秩父宮様、高松宮様など、そのほか多くの方々にお立ち寄りいただく事になりました。
明治の晩年から昭和20年代ごろまでの路面電車(高崎、前橋、渋川、伊香保)の時代、その後の路線バスの普及の時代、モータリゼーションの発達の時代と世の中は様ざまに変遷していきましたが、その製法は頑なに引き継がれていきました。
水澤寺の参道の整備、拡幅工事などにより、今では「水沢うどん街」と呼ばれるように多くの店舗が「水沢うどんの専門店」として暖簾を掲げていますが、「手打・機械打ち」、 「醤油だれ・胡麻だれ」、「温麺・冷麺」等々新旧のお店が入り乱れています。
清水屋は「手打、冷麺、胡麻だれ」にこだわり、ずっとその技法を守り続けております。

17代目から18代目へ

 17代目の当主大河原清一は頑固一徹の職人気質、時代がどのように変わろうと受け継いだ技法を頑なに守りとおす。お客様にうまいと言って頂けるうどんを提供するために、「踏んで、ねかせて、また踏んで、ねかせて、のして、切って、干す」作業を365日続けてきた。うどんの出来が最優先で夏も冷房を付けない作業が続く過酷な労働ともいえるが、その太い腕で清水屋の伝統を守り続けてきた。
そして18代目の大河原健太は、「エコール辻東京」にて日本料理を学んだ後、東京で日本料理を中心に5年間しっかりと修行し、素材の見極め、包丁さばき、下ごしらえ、出汁、盛り付け、などの和のセンスと技術を叩き込んできた。
今までのうどんの技法は伝統を守り続け、味にこだわり続けることが一番の宝であるという信念のもと時代に合わせた守りと挑戦を硬く決意している。
400年以上の歴史の上に成り立った水沢うどんが次の世代、またその次の世代の世の中に指示され続けるための18代目の挑戦ははじまったばかりである。

手打ちと水へのこだわり

 清水屋のうむどんの素材は「粉と水と塩」だけ。シンプルがゆえに素材はその出来を大きく左右します。それぞれが少しの妥協も許されませんが特に水はその土地でしか作れない味となります。
水沢の水は榛名山系の雄大な自然が育んだ「水沢の名水」として、「水澤観音」・「水澤寺」の湧水として400年以上の歴史の中で今も変わらず使われ続けています。
「水沢の名水」で作られるうどんは、肌がなめらかでうどんにより腰を与え、うどんの味をより引き立たせてくれます。清水屋のうむどんは受け継いだ技法を頑なに守った手打にこだわっています。
うどんの製法の代表的な工程は、「混ぜる、こねる、ねかせる、のす、切る、干す、茹でる」などになりますが、その工程ごとに機械化をすることは可能かもしれません。しかし、混ぜるときの感覚、こねる動作、こねた後の足踏み、寝かせた後の再度の足踏み、のばす、切るのどれも伝統の技を極めた職人の手打には、機械では出せない色つや、肌の滑らかさやのど越し、腰の強さ、うどんの風味があります。是非手打うむどんの本物の味をご賞味下さい。

素材へのこだわり

 清水屋のうむどんの小麦粉は、一般的なうどんで使用されている中力粉ではなく、基本的には菓子材料などに使われる薄力粉を使用しています。
一般的につながりにくく切れやすい薄力粉を使用する理由は、「食感がなめらかになり、仕上がりの風味が良くなるから」です。
薄力粉を使用することによる労力は大変になりますが「味にこだわる」事を伝統の中で守り続けています。
また、ごまだれは「白ごまと出汁とかえし」で作っており一切の化学調味料を使用していません。また生姜のしぼり汁を入れることによりコクとキレがありうどんの味を邪魔することのないたれを実現しています。
添えられる一品料理も、季節に応じた新鮮な食材を厳選してご提供させていただいております。こちらの方は新しい食材を利用した料理に果敢にチャレンジしてまいりますのでご期待願います。